携帯電話でもハイビジョン放送が受信可能になる日

最近、ワンセグ機能付きの携帯電話が増えてきました。
しかし、ワンセグ機能付きの携帯電話が普及する前から、ワンセグが必要なくなる日が来るんじゃないかと思っていたのですが、実現可能性だけ言ったらもう可能になってしまったようです。

ITPro - 高千穂交易,携帯電話機で13セグメント放送の受信可能な低消費電力受信LSIを販売開始

受信可能なデジタル放送方式は日本のISDB-T(1セグメント放送/13セグメント放送)に加え,欧州のDVB-T/H,韓国のT-DMB/DABにも対応しており,1台の端末で使用する場所によって放送を切り替えて受信するマルチモード対応端末の設計も可能になるという。
とのことなので、テレビ受信用のアンテナさえ取り付けられれば、多くの国で携帯電話からテレビが見られる可能性があるということですね。


そんなわけで、今回は久々に技術解説をということで、ISDB-Tについて話したいと思います。
最近、地上デジタル放送やワンセグと言う言葉をよく聞くと思います。

日本の地上デジタル放送で用いる規格のことをISDB-T(Integrated Services Digital Broadcasting - Terrestiral)と言います。
ISDB-Tでは、各1チャンネルで使用する帯域を13の区画に細分しています。
※その区画のことをセグメントという単位を使用し、13セグメントと表現します。
その帯域の中の4セグメントを用いると、今まで愛されてきた(アナログ)テレビの画質になります。12セグメントを用いるとハイビジョン画質になります。
しかし、上記の説明では13セグメント分あるのに、12セグメントしか使用していませんよね。

13-12=1セグメントは何に使用するのか?
1セグメント→One segment→ワンセグメント→ワンセグ
そう、ワンセグに使用しているのです。

ワンセグ放送は、携帯端末の為に使用されているのはご存じだと思います。
12セグメントでハイビジョン
4セグメントで標準画質
という具合に、使用するセグメント数を増やすと綺麗になっていく訳ですが、現在の携帯電話のディスプレイサイズを考えると、何セグメントも使用する必要はないんですよね。さらに、何セグメントの情報を携帯端末でデコードするのは半導体の消費電力を無駄にしているということになりますから。

しかし、今の携帯端末だから標準画質、またはハイビジョン画質の表示ができないきめ細かさというわけであって、数年後の技術進歩では不可能とは限りませんよね。半導体の消費電力にしてもまた然りです。

しかし、チップレベルでは、今回の携帯端末向け受信LSI「MP2011」を実装することで低消費電力ながらハイビジョン放送が受信可能になってしまいました。携帯端末のディスプレイの問題があるにしてもハイビジョン放送が受信可能というのは凄いですね。
あとは、携帯端末のディスプレイがハイビジョン放送を受信しても問題ない画質になるのがいつかってことでしょうか。

...って思いましたが、仮に携帯端末の小さなディスプレイでハイビジョン画質を表示できたとしても、正直嬉しくないですねw
人間の目の分解能を越えていそうな気もしますし。まあ、人間の目の分解能を越えたちょっと後くらいのディスプレイを作って頂ければ、それ以上の技術進歩は必要ないかなとか思いますw

そんなわけでして、皆様、ハイビジョンが受信可能な携帯端末の販売をしばしお待ち下さい( ̄∇ ̄)ノ♪