Winnyに続いてWindowsの開発者も逮捕

 最近ホットなWinny開発者逮捕の話題ですが、今度はWindows開発者逮捕の話題が入ってきました。
 
 まあ、上記のリンク先を見れば、嘘ニュースだってことはお分かりかとは思いますが、これってある意味十分真実になり得る事柄じゃないかなと思います。
 
 違法ソフトウェアの公衆送信を正当化する気はありませんが、今回のWinny開発者を逮捕したというのは、ソフトウェア開発者にとってはとても怖く、受け入れがたいことではないかと思います。
 
 今回の事件で現在分かってることを私なりにまとめてみます。
 
 東大大学院助手であった金子勇さんが、WinMXで利用者が逮捕されたのをきっかけにWinnyを開発することにしました。WinMXはP2Pでのやり取りであり、その問題点を解決すべく、ノード中継という概念を導入したのがWinnyです。
 しかし、Winnyで逮捕者が出ると、Winny開発者の金子勇さんの自宅を家宅捜索しました。それからというもの、当分の間沈黙を守っている状態が続きましたが、今回の逮捕という形で職業と名前が出ることになってしまいました。
 
 京都府警のコメントを見る限り、WinnyがWinMXで利用者が逮捕されたのをきっかけに開発されたソフトウェアであり違法ソフトの蔓延に荷担したということで逮捕したみたいですが、これって拡大解釈したら凄く怖くありませんか?
 
 NapstarやWinMX、Winnyなど、いわゆるファイル共有ソフトというのが一般的になる前は、FTP鯖を使ってファイルを交換することが一般的であった時代があります。そこで使われている技術というのがFTPクライアントソフトウェア、FTPデーモン、FTPというプロトコルです。
 また、今でも少なからずWarezというウェブサイトは残っています。では、そこで使われている技術って...
 さらに、ファイル共有、FTPを使ったファイル交換、Warezサイト共に、TCP/IPという技術を利用しています。
 
 つまり、拡大解釈すれば、少しでも違法ソフトを蔓延させられる環境を作成する技術を公開したら、その開発者は逮捕されるという可能性があるということなのですよ。
 
 ならば、メーラ開発者は少しでもスパムメール(広告メール)を送信できる機能(CCやBCC)があった時点で、犯罪幇助の罪で逮捕ですか? 同様に、スパムメールを防ぐ機能をつけていなかった問題点からメーラデーモン運営者も逮捕ですか?
 同様に、Windowsという違法ソフトウェアが動く環境を提供する時点でダメですよね。さらにWindows2000やWindowsXPに関して言うならば、互換モードという機能により、Windows95などの古いOSで動いていたソフトウェアまで動かせる大問題の環境を提供しています。
 
 つまり、最初のリンクにある京都府警によるWindows開発者逮捕も夢の話ではないわけでして。
 
 例え、京都府警の言い分が、WinnyがWinMXでの利用者が逮捕された直後に開発され、違法ソフトを蔓延させることが主の目的であったから逮捕したということにしましょう。
 それならば、純粋にファイル交換をしやすい環境を作る目的で何らかのファイル共有ソフトを開発したとしましょう。それならば逮捕する理由はなくなってしまいます。何せ、違法ソフトの蔓延を助けるためのソフトウェア開発ではなく、ファイル交換の効率化のためのソフトウェア開発ですから。

 さらに、今回の京都府警は、自分たちの身内から捜査情報ファイルが外部に漏れたことを理由に逮捕しているというのもあります。
 それは身内の人間を先に逮捕し、逮捕者の氏名を公開、懲戒免職してから逮捕するのが順序ってものじゃないですか? 身内に甘く、外部に厳しいようじゃこれからも警察の信頼は築けませんよ。

 この様な著作権絡みの事件は、違法ソフトを公開している利用者を逮捕するものであって、ソフトウェア開発者を逮捕するなんて明らかにおかしい気がします。
 
 今回の逮捕の理由を拡大解釈しようが、通常解釈で考えようが、今回の金子勇さん逮捕は何か正当な逮捕のように思えませんね。違法ソフトを公開しているユーザの逮捕はともかく、京都府警のソフトウェア開発者の逮捕という不当逮捕には反対です。