パソコン能力を提供してみませんか?

 スーパーコンピュータと言いますと、研究所にでかいコンピュータを用意し、CPUが何百万台繋がってる装置を使って動かすというイメージがあります。しかし、今別の観点からスーパーコンピュータ並みに匹敵する演算装置を作ろうとしている試みがあります。
 
 それが、何十台、何百台ある普通のパソコンをネットワークで接続し利用しようという試みです。一台にあるパソコンのCPUが2GHzだとしても百台が協力すれば200GHzになります。ネットワークの転送などオーバーヘッダがあるので単純計算は出来ませんが、それでも即席のスパコンは作ることが可能です。
 
 また、普段利用しているパソコンの余剰処理能力を利用して色々な研究に利用するという試みもあります。普段利用しているパソコンは高スペックであっても、インターネットやメールを受信しているときなどはCPUの力を100%利用していません。むしろ、3Dやゲームなどの処理を行わない場合は能力のある今のパソコンでは100%利用していることの方が少ないのです。そこで、CPU能力に空きがあるときに何かの処理をさせ、その処理が終わったらネットワークを使って送信させる仕組みです。上の試みと似ていますが、処理が細かく区切られ、たまにネットワークに接続するこちらの方が一般に浸透しやすいですね。
 
 一般には分散コンピューティングと言われていますが、上記の試みで現在有名なのは、白血病の仕組みを解明しようとする「UDガン研究プロジェクト」と電波望遠鏡からのデータを処理し、地球外生命体を探そうというプロジェクトの「SETI@home」です。
 日本でも使用している人が多く、UD-Team2chWiki - UD Team2chSETI@home: Search for Extraterrestrial Intelligence at Home(in Japanese)など日本語情報ページを製作されている方がいます。
 
 最近、ITmediaにてSETI@home、謎の信号を受信――異星人からの通信の可能性もという記事がありましたが、後日違うことが分かったようです。今回は残念ですが、1人でも多くの方が協力したら白血病の解明や地球外生命体の存在を証明できる日が来るかも知れませんよ。
 
 興味のある方はパソコンにインストールしてみましょう。