CDとDVDのハイブリットディスクとその可能性

 Wired Newsによると、アメリカの大手レコード会社が音楽CDの裏にDVD映像が入ってる両面ディスク発売するとのこと。
 
 CDはCompact Diskの略で、直径が12cmのディスクです。で、厚さはと言いますと、狙ったのかどうかは不明ですが直径の100分の1にあたる1.2mmとなっています。CDの断面を見ると、音楽CDだとレーベルが印刷されてる面からデータを読み取る面へ順に、コーティング層、保護層、アルミで出来ている記録膜層、透明な樹脂で出来ているディスク基板に分かれます。記録膜層にはピッチという凹凸が存在し、いわゆる二進法によりデータの記録がされています。CDからデータを読み取るときはレーザー光を透明な樹脂で出来てるディスク基板を通過し、アルミで出来ている記録膜層にあて、反射した光を利用しピッチの凹凸を読み取っています。更に詳しくはueyamaさんの情報処理概論講義資料のCDに譲ります。
 
 で、次にDVDの仕組みですが、直径はCDと同じく12cmです。しかし、DVDの場合両面を使用することも出来るため、0.6mmのディスクを2枚張り合わせて1.2mmにしています。レーザーで読み取る仕組みは変わりませんが、CDより細かいピッチを利用しているため1枚のデータ量が増えます。記録層を2重化する技術もあります。つまり、レーザディスクみたく両面を使用することで、単層片面DVDと2層両面DVDでは4倍近い容量の差を生むことが出来ます。これにより、CDの何枚分も記録できる訳ですね。
 
 で、今回のハイブリットディスクは0.6mmのDVD面と0.6mmのCD面を張り合わせるということなのでしょうか? 技術的には十分可能だと思いましたし、音楽以外にもDVDで見られる特典が入っていれば今後の音楽業界の標準にも出来そうですね。しかし、2枚ディスクがあるわけではなく、片方にCD、もう一方にDVDが入ってると言うことはレーベル面がないわけですから、どの面を上にして装置に入れるか分かりにくくなるという可能性はありますね。また、レーベル面がないことでどのミュージシャンのどの音楽なのか分かりにくくなるという可能性もありますね。おそらく、中心の回転部分にCD面なのかDVD面なのか書き、そこの限られたスペースにレーベル印刷することは可能だと思うのですが、あの面積だとちょっと厳しそうですね。
 
 でも、今回のハイブリットディスクに関しては、もっと応用すべきではないかと思います。
 
 例えば、現在のゲームコンソールはCD-ROMやDVD-ROMが標準です。プレステ然り、セガサターン然り、ドリームキャスト然り。しかし、ROMはRead Only Memoryという名の通り読み込み専用なので、ゲーム内容をセーブするときはメモリーカードなど何かしらの記憶装置が必要になります。これで問題になるのが、「このゲームのセーブデータどこに行った〜ヽ(`Д´)ノ ウワァァァ---ン!!」や「沢山保存したいのにメモリーカードを買うお金がないよヽ(`Д´)ノ ウワァァァ---ン!!」だと思うんですよ。
 しかし、片面をDVD-ROM、もう一方をDVD-RAMにし、DVD-ROM面にゲーム自体のデータ、DVD-RAM面は進行中のゲームデータの保存とゲームにバグが発生した際にフィックスさせるためのデータを記録するなりすればスーパーファミコンと同じようにゲームデータをカセット内に保存できる利点が生まれてくるわけですね。今後は家庭用ゲームでもネットワークを使う方向に行ってると思いますし、今のゲームはプログラム量が多くてバグを完全にない状態で出荷するのが難しいので、データセーブ部分以外にバグフィックス用の領域を用意できるならかなりいいと思うのですが。ただ、三菱自動車みたく闇改修はダメよ(ぇ?
 
 今後のハイブリットディスクとゲームコンソールに期待です。
 
 さに余談ですが、CD録音時間は有名な話で、CDの規格を制定したソニーがクラシックの第九が全て録音できる時間として74分にしたのは有名な話ですね。