携帯電話番号が変わらずキャリア変更が可能になる日

 ITmediaによると、アメリカでは2004年5月24日から全米でナンバーポータビリティを実施するとのことです。
 
 とうとうアメリカでは今日からナンバーポータビリティのシステムが実施されますか。実は現在、日本でも早くて2006年夏の導入を目指してナンバーポータビリティの導入が審議されてる最中なのです。
 
 ナンバーポータビリティとは、auやDoCoMo、Vodafoneなどの携帯電話キャリアを変更しても今まで使用していた電話番号をそのまま使用できるシステムのことです。
 
 今までは携帯電話番号を保持するには同じキャリアの端末に機種変するしか方法がありませんでした。もし、他のキャリアにする場合は電話番号が変わってしまいます。それ故に、ビジネスに影響が出るため特に社会人は、別のキャリアにしたいのに出来ないという人が多いと聞いたことがあります。
 
 それを解決するのがナンバーポータビリティというシステムです。
 
 現行のシステムでは電話番号でキャリアを判別しています。なので、携帯電話を最初購入した地域を調べられるウェブサイトも存在します。現行のシステムだと、携帯電話の番号に電話を掛けた場合、あらかじめ上記のリンクにあるような情報を持つ交換機がキャリアを判別し、そのキャリアとの交換局に繋ぐことで目的の携帯を呼び出す仕組みです。
 
 もしナンバーポータビリティのシステムが導入されると、今までのように上記のリンクのように固定情報で呼び出すことが出来ません。そこで、携帯電話番号照会用サーバを用意し、携帯電話の番号に電話を掛けた場合、目的の携帯が現在どこのキャリアの端末なのかを判別し、そのキャリアの交換局に接続、目的の携帯を呼び出す仕組みになります。
 
 ナンバーポータビリティを導入するに当たっての利点を挙げてみましょう。
 ユーザ側から見ると、なんと言っても、携帯電話番号を保持できるということでしょうね。今まで使い慣れた電話番号を捨ててまで別のキャリアに変える必要がなくなります。電話番号が変わるからという理由でキャリア変更が出来なかったユーザにも新たな選択肢が増えることになります。
 企業に関しても、今まで電話番号が変わるという理由でキャリア変更を考えてくれなかったユーザを新規顧客として獲得できるチャンスとなります。ナンバーポータビリティが導入されたら変更してみたいキャリアのトップがauだったそうで、特にauには大きなビジネスチャンスが到来しそうな感じですね(笑)
 
 一方、ナンバーポータビリティを導入することで問題点も考えられます。
 まず、携帯電話番号とキャリアを紹介するために使用する巨大なサーバを使うにあたっての問題です。今まで必要のなかったサーバに照会するという手間が入るため、目的の携帯電話を呼び出すまでの時間が長くなる可能性も考えられます。また、このサーバが落ちたとき全国レベルで携帯電話に繋がらなくなる障害が発生することも考えられます。巨大なサーバの維持を誰がどう負担するかというのも問題になるかと思います。
 また、現在審議されているナンバーポータビリティではメールアドレスの変更の問題がまだ残っていることになります。最近はメールアドレスの変更をしょっちゅうする人もいるため気にしない人もいますが、現在審議されているシステムではキャリアを変更した場合は電話番号は保持できても、メールアドレスは変更となってしまいます。これは今後、各社共通のメールアドレスのドメインを作成し、そのドメインを使うことにならない限りは仕方ないと思います。
 さらに深刻なのが、キャリア自身があまりやる気がない感じがあることでしょうか。巨大な照会用サーバを用意してまで、下手すると自分の首を絞めかねないシステムを現行のシステムを、費用を掛けて改修してまで果たしてそれだけの利点があるのか...っと思ってるのでしょうかな? 特に最大手のDoCoMoがやる気無いという話を聞きましたが、これは困ったものですね。
 
 現状を見る限り、いつかは日本でもナンバーポータビリティが実施される方向で進んでいるようなので、携帯メールで...
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こんにちは。
メールアドレス変更しました。
xxxx@docomo.ne.jpからxxxx@ezweb.ne.jpへの変更お願いします。
なお、電話番号に変更はありません。
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なんてやり取りが実現する日も来るのでしょうね。
 
 日本でナンバーポータビリティが実施される日まで注目のお話です。