新築一戸建て物件を探す際の注意点をまとめてみた

2016/11/13:加筆修正しました。
2017/01/15:加筆修正しました。

物件探しを初めて色々気付いたことがあります。
何も知らないまま家探しをすると営業のカモにされると。
ノルマもあり、利益を出すために物件を売ろうとしている本職の営業さんと話すのに、何も知らないまま家探しを進めれば、美味しく料理されてもおかしくないですよね。

ただ、物件の購入というのは、殆どの人が一生で一番高い買い物になるかと思います。
そこで、不動産物件を色々見た上で気付いたチェック観点をまとめてみましたので、ご参考までにご覧ください。

なお、以下のチェック観点は新築一戸建てを探す際に気付いたことを記載しています。
中古物件やマンション物件を探す際には別の観点が必要となる可能性もありますのでご承知おきくださいm(_ _)m


◎物件チラシ
・敷地の形を確認する。
四角に近い土地の方が結果的に使いやすい間取りとなる。
・敷地周辺の道路を確認する。
敷地周辺の道路に自信があると敷地周辺の公道部分を大きく載せている。
逆に自信がない物件は敷地直近の公道と公道幅しか載せていない場合がある。
・物件住所からGoogleストリートビューで確認する。
物件周辺の雰囲気を事前に確認することが可能。
Googleストリートビュー専用車の巡回時期にもよるが、以前の物件や建築中の物件を確認することが可能。
・用途区域を確認する。
都市計画法では用途の混在を防ぐ為に用途区域が指定されている。
例えば、第一種低層住居専用地域は、2~3階の一戸建てやアパートはあっても、通常コンビニは建てられない。
逆に、準工業地域は住宅の近くにコンビニを建てられ、買い物環境としては便利であるが、工場が近くにあり、騒音を許容しなくてはいけない場合がある。
用途区域の情報については「用途区域マップ」で検索可能。
・土砂災害警戒区域の有無を確認する。
物件価格が周辺より安いと思ったら土砂災害警戒区域と小さな文字で記載されているチラシがあった。
・送電線の有無を確認する。
物件価格が周辺より安いと思ったら、高圧電線が上空を通過しており、空中権が設定されていると記載されているチラシがあった。

◎物件周辺
・ゴミ置き場はどこにあるか。
家の前がゴミ置き場だと売買時の価格に影響する。
・ゴミ置き場はきちんと管理されているか。
アパート居住者と同じゴミ置き場は管理がいい加減になる。
また、駅までの通勤経路上にあったり、人や車の通りが多いところに面しているゴミ置き場は不法投棄の可能性が高くなる。
・学校が近くにあるか。
学校が近くにあるとグラウンドからの砂埃で窓、床、壁が汚れやすくなる。
また、学校に近すぎると子供の声やチャイムの音が気になる。
・嫌悪施設(墓、高圧電線、宗教施設、ドブ川等)が近くにあるか。
売買時の価格にも影響する。
物件価格が周辺より安いと思ったら高圧電線が上空にあり空中権が存在する物件だったことがあった。
・(近くに空港がある場合)飛行機の騒音はどの程度か。
・(近くに線路がある場合)鉄道のジョイント音や振動はどの程度か。
・(近くに大きな車道がある場合)車の騒音や振動はどの程度か。
交通機関の騒音は、昼間は気にならなくても夜間に気になる場合もあるので注意。
音の屈折の関係で、夜間の方が音が聞こえやすいこともある。
線路や道路が近くにある場合、鉄道やトラック通過時の振動が伝わる物件もあるので就寝時間を想定して振動の有無を確認すること。

◎物件周辺の車道~物件
・最寄駅や最寄バス停から物件までの道の起伏が激しくないか。
不動産屋の営業車で回ると起伏を感じず、見栄えが良い道で案内されている可能性あり。
・物件周辺の車道から物件まで運転しやすい道であるか。
古い物件が混在する地域だと4mに満たない2.7mや3.6m幅が混在する公道があり、狭い場所は運転が大変。
歩いているときは十分に見えても、電柱で更に狭くなっている道もあるので注意。

◎駐車場(車を所有する場合)
・(駐車場なしの物件ならば)近隣に月極駐車場を借りることが可能か。
・(駐車場ありの物件ならば)車の出し入れがしやすいか。
・駐車スペースは車の出し入れしやすいか。
渋滞が多い車道やスピードを出す車が多い車道だと車の出し入れが大変。
・駐車後に運転席のドアから出やすいか。
玄関等の都合上、駐車後に助手席側のドアから出ないと不便になる間取りをしている物件がある。
・駐車場の路面や壁面にクラック(割れ目)がないか。
必要に応じて補修するよう指摘すべき。特に新築物件ならば。

◎レンタカー/カーシェア(車を所有しないが、利用する機会がある場合)
・物件付近にカーシェアのステーションがあるか。
・物件付近にレンタカーショップがあるか。

◎周辺施設
・最寄スーパー、コンビニ、ドラッグストア、病院、床屋/美容院となる場所はどこになるか。
・帰宅時に通る道沿いにスーパーやコンビニがあるか。
・図書館、公民館があるか。

◎通勤
・物件から最寄駅や最寄バス停まで徒歩何分か。
1分間80mの計算ではなく、自分の歩く速度による実測で。
・物件から会社までの通勤時間は妥当か。
・帰宅時に歩くと街灯がない道や危険な道はないか。
・通勤経路に急な階段や起伏はないか。
・(帰宅が遅い人は)帰宅時間帯に営業しているスーパー、コンビニ、飲食店が近くにあるか。

◎外観
・1階部分より2階部分が広い物件ではないか。
2階部分が出っ張っている物件は構造上アンバランスなので地震に対して弱い。

◎敷地内
・植物を植える場所があるか。
・隣の敷地から草木が入り込んでいないか。
管理されていない草木があると落ち葉や害虫のトラブルが発生する可能性あり。
・水栓柱(外の水道)があるか。
ほとんどない物件が多かったが、あれば靴洗い、洗車、散歩後のペットの足洗い等に便利。
ただし、水栓柱の場所によっては、知らない人に勝手に使われる可能性がある。
・敷地内で水道管、排水管、ガス管などがむき出しになっていないか。
工事中なら問題ないが、工事後の状態で埋設されている箇所の配管がむき出して放置されているのは問題あり。

◎公道~玄関
・段差はあるか。
骨折をした場合や高齢の両親と同居の場合などバリアフリーの観点。
・階段はあるか。
キャリーバッグ、スーツケース、重い荷物の運搬が楽にできるかどうかの観点。
家具や家電の搬入(追加料金が必要)にも影響がある可能性あり。

◎玄関
・下駄箱の収納は十分か。
女性の靴の数は男性が必要な数より多い。
・コートを置ける場所はあるか。
雨の日に濡れたコートを玄関より先に持ち込まなくて済む。
・傘を置ける場所はあるか。

◎リビング
・窓から十分な光が入るか。
・隣の家の窓と向き合っていないか。
曇りガラスにしたりカーテンを締め切る必要があると、窓からの光量が減る。
・窓を開けたときに風通しが良いか。
・使いやすい間取りとなっているか。
テレビ、ソファー、テーブル、棚を設置したときのイメージが付くか。
・コンセントやアンテナケーブルの位置はどこにあるか。
・ガス暖房用のガス管はあるか。
・床暖房設備はあるか。

◎台所
・ガスコンロの数。
2個より3個の方が同時に調理しやすい。
・浄水機能付きの蛇口であるか。
メンテナンスが必要だが、調理と水洗い時に水を分けられる。
・冷蔵庫や食器棚を置ける場所は十分か。
間取りが悪いと置くのに苦労する。
・食器洗い乾燥機が設置されているか。
ない場合、食器洗い乾燥機の設置スペースがあるか。

◎トイレ
・狭くないか。
安い物件や3階建て物件だと狭いトイレとなっている場合がある。
・圧迫感がないか。
・ウォシュレット付きか。
・トイレ用品を置ける棚があるか。
・各階にトイレがあるか。

◎洗面所
・何階にあるか。
最近は2階に水回りがある物件もある。
・バスタオルを置ける棚があるか。
格納場所がない場合、タオル用の棚やつっかえ棒により場所を確保できるか。

◎洗濯機
・ベランダと同じ階にあるか。
最近は2階に水回りがある物件もある。
・洗濯機置場の台があるか。
最近は排水の水漏れがしにくくなってる為、洗濯機置場と洗面所の床の区別がない場所もある。

◎風呂
・何階にあるか。
最近は2階に水回りがある物件もある。ベランダと同じ階にあると洗濯後の衣類の移動が便利。
・浴槽にテレビが付いているか。
・浴槽の床が冷たくならない構造のものであるか。
テレビや冷たくならない床があれば付加価値になる。
・風呂を覗かれるような構造になっていないか。

◎窓
・物件から見える窓と隣の家の窓が向き合ってる場所がないか(リビング、風呂、トイレも含む)。
・隣の窓と向き合っている窓は曇りガラスとなっているか。
・雨戸や防火シャッターが付いている窓か。
・窓を開けたときと閉めたときで騒音がどれほど変わるか。
・カーテンレールの有無。
カーテンレールがない場合には追加工事が必要。

◎部屋
・洋室と和室の数は妥当か。
親世代との同居がある場合、和室があった方がよい可能性あり。
・備え付けクローゼットはあるか。
・備え付けクローゼットは十分な収納であるか。
女性の方がクローゼットの収納を必要とする。
・備え付けクローゼットが階段と干渉していないか。
クローゼットの扉を開くと下半分が階段スペースで取られていることがある。
・備え付けクローゼットとドアが干渉しない構造となっているか。
・ベッド、机、タンス、本棚、テレビを設置したときに十分なスペースがあるとイメージできるか。
・勾配天井で圧迫感がないか。
日照権の関係で北側の部屋の天井が勾配になっている。
・ロフトや天井収納があるか。
・ロフトや天井収納のハシゴがドアや家具に干渉しない構造となっているか。

◎部屋の壁
・コンセントやテレビアンテナの位置はどこにあるか。
家具を設置した際に干渉しないかも確認する。
・エアコンの取り付け位置はどこになるか。
一軒家の場合、壁に室外機用の穴が空いておらず必要に応じて工事をして開ける。
・吸気口の場所はどこにあるか。
ハウスシック症候群対策で最近の物件には吸気口の設置が義務付けられている。

◎収納
・下駄箱、各部屋のクローゼット、押入れが十分な数とスペースが確保されているか。
収納が足りないと本棚やタンスを増設する必要があり、結果として地震時のリスク増加につながる。

◎ベランダ
・日当たりは良いか。
・洗濯物を干しやすいか。
ベランダがあっても干す用途にほぼ使えない物件があった。
・隣の家の窓と向き合っていないか。
・電柱や電線が目の前にないか。
・洗濯機から洗濯物の移動が大変ではないか。
3階建ての場合、洗濯機が1階でベランダが3階という物件もある。

◎通信環境
・携帯電話の電波が十分か。
基地局から山の影となる物件だと電波が悪い場合がある。
・(光通信希望の場合)光ファイバが利用可能なエリアか。
物件周辺の電柱に光ファイバ専用の端子函(クロージャ)が存在するかを確認できると簡易判定可能。
・(ADSL希望の場合)NTT交換局からの距離が近いか。
通信速度や品質に影響する。最近はADSLの選択肢は少ないと思いますが。
・ケーブルテレビが利用可能なエリアか。
・回線終端装置の場所から各部屋への通信は問題ないか。
電柱から引き込んだケーブルと回線終端装置(モデム、ONU、PON等)からルータを経由し、壁に穴を空けて有線LANケーブルを通すか、家の中心に無線LANルータを設置して対応するか。

◎子育て
・(乳児の場合)玄関付近にベビーカーの格納場所はあるか。
・(乳幼児の場合)入園可能な保育園や幼稚園が近くにあるか。
・通勤時や帰宅時に送り迎えがしやすい位置に保育園や幼稚園があるか。
・物件から小学校や中学校までの通学時間はどれくらいか。
・小学校や中学校の評判は問題ないか。
特に中学校は荒れてる学校ではないか。

◎ペット
・動物病院が近くにあるか。
・(犬の場合)敷地内に水栓柱(外の水道)があるか。
犬の散歩後の足洗に便利。
・(猫の場合)脱走しやすい作りとなっていないか。

◎リスク回避
・犯罪が多い地域ではないか。
・空き巣に入られやすい物件ではないか。
同じ自治体内でも繁華街とそれ以外で犯罪発生率が異なる場合がある。自治体により犯罪発生マップを公開している場所もある。
・河川の氾濫リスクがないか。
自治体提供の洪水マップで床下浸水、床上浸水、浸水後に水が引く時間を確認。
・土砂災害警戒区域でないか
崖や急な傾斜がある物件の場合、自治体提供の土砂災害マップで確認。
・地盤が安定している土地であるか。
河川の近くや埋立地は大地震の際に揺れやすい可能性あり。
地盤の情報については「地盤サポートマップ」で簡易的に検索可能。
・神経質な隣人が住んでいないか。
内見物件の近くで監視カメラが何台も設置されている家を見たことがあった。
レアケースと思いたいが、リスクヘッジの為に物件周辺の状況も確認する。
・隣接する物件や当該物件が心理的瑕疵物件ではないか。
事故物件公示サイトの「大島てる」で簡易的に検索するのも良い。

◎営業さんの売り方
・条件が悪い物件の後に条件が良い物件を案内する。
条件が悪い物件をいくつか見せられた後に、条件が良い物件を見ると、希望条件を満たさなくても印象が良いように見えてしまう。
そうならない為にも自分が欲しい物件の条件と希望エリアの相場を十分な時間を掛けて検討する必要がある。
・「人気の物件です」、「すぐに決めてください」、「他にも入居希望者がいます」のセールストークを使う。
人気のない物件でも使用している可能性がある。
人も物件もある意味ご縁。条件を悩む物件でこのフレーズを言われたら次の物件を前向きに検討するのもあり。
・「キャンセルがでました」のセールストークを使う。
他の人が購入しようとした物件は良いものだと錯覚してしまう。
自信にとって良い物件なのかどうかを慎重に検討する必要がある。
・「どこの不動産屋でも同じ物件を紹介できます。なので自社で購入してください」のセールストークを使う。
日本では不動産屋限定で閲覧可能なREINSという不動産取引情報提供システムがあり、REINSに掲載された物件はどの不動産屋でも照会可能なのは事実。
しかし、不動産業界には、売主からの売却時手数料と買主からの購入時手数料の両手取引実現の為、REINSに掲載しても他社からの照会には「交渉中で紹介不可」と答え、自社の客からの問合せのみ実際に物件を紹介する「囲い込み」という悪習がある。
また、売主から売却を急ぐよう圧力を掛けられている物件が不動産屋によって異なるので、同じ条件で希望しても、同じ物件を紹介してくれるとは限らないので注意。


如何でしょうか?
列挙してみるとかなりの観点がありましたね。

これだけチェック観点を書きましたが、人と同じで百点満点の物件を探すのは難しいです。
面倒だな…と思った方も多いと思いますが、その考えで良いと思います。
ただ、物件を探す際に、面倒なこれらの観点を意識して探してこそ、購入してから後悔しない物件に出会えるものと考えております。

チェック観点以外のネタもありますので、それらはまた別の記事で載せたいと思います。
乞うご期待!