スマホをドライブレコーダとして使う

2016/01/24:赤字の箇所を加筆修正しました。

最近、YouTubeを見ると事故の瞬間やDQNカーの問題行動をアップロードしたドライブレコーダの動画を沢山見かけます。
ドライブレコーダー機器の値下がりや、警察からの要請もあるのか一般の乗用車だけではなく、バスやタクシーの交通機関でも実装されていることが多くなりました。
最近は一部のレンタカー会社でも導入しており、事故の偽装がバレ、逮捕されたニュースもありました。

ドライブレコーダは義務ではない為、安くなったとは言え、まだまだ設置していないという方が多いのではないでしょうか。
しかし、世の中にはスマートフォンをドライブレコーダとして使うことができるアプリを公開している方がいらっしゃるようです。

ゴールデンウィークのレンタカーを運転した際にスマホをドライブレコーダとして利用しましたので、今回はそのレビューを書きたいと思います。

まずはスマホをドライブレコーダとして使用する為に以下のものを用意します。

1.スマホ本体
2.ドライブレコーダアプリ
3.スマホを固定するカーアクセサリ
4.シガーライターソケットからUSB給電可能なカーアクセサリ
5.スマホを充電可能なUSBケーブル

上記の5点について、順番に説明します。

1.スマホ本体
これがないと今回のレビューが始まらないので省略。

2.ドライブレコーダアプリ
色々とググってみまして、評判が悪くなかった以下のアプリを利用しました。

・Androidアプリ-アウトガード - カムコーダー

このアプリ(アウトガード)は、映像の録画機能だけではなく、GPSを利用した位置の記録機能、メモリが一杯になったときに古い映像から削除するローテーション機能、衝撃センサ(スマートセンサ)を使った衝撃を検知した映像の自動消去防止機能、映像とGPSの記録位置を関連付けて再生する機能等が存在します。

3.スマホを固定するカーアクセサリ
アウトガードはドライブレコーダアプリというだけですので、スマフォを固定するには何かしらのカー・アクセサリが必要になります。
調べてみたところ、以下の製品を見つけました。

・オウルテック(OWL-CACHG)-強力ゲル+真空吸盤でガッチリ固定!iPhone/スマートフォン対応ワンタッチホールドクリップホルダー

ダッシュボードの上でも吸着可能な吸盤とクリップ形式でスマートフォンを固定可能なアクセサリです。
実際に吸盤式のホールドクリップホルダーを使用してみると、車種によりダッシュボードに凹凸があると吸着力が弱く、走行中に剥がれてしまうことがありました。別の商品を検索したところ、以下の製品を見つけました。

・ネクストゼロワン(HOLD11337)-サンバイザー クリップスタイルカーホルダー

サンバイザーにクリップ方式で固定可能なアクセサリです。
ホールドできるサイズに制限があるので、大画面液晶を持つスマホをお持ちの方はサイズをご確認ください。

ネクストゼロワンのこの製品はかなり使用したのですが、気になるのが振動による動画の乱れです。
可動部が球体となっているので、映したい方向の微調整が可能なのですが、プラスチック製故に経年劣化でゆるくなってしまい、スマホの重みと走行中の振動で走行中に変な方向を向いてしまうようになりましたorz

そこで別のサンバイザー式の商品がないかと探したところ以下の商品を見つけました。

・星光産業(EC-155)-バイザースマホホルダー

星光産業の商品は、可動部がネジ式となっております。コインやドライバーで可動部の調整が必要ですが、勝手に動くということはありません。
しかし、クリップ部分をサンバイザーに取り付ける為にはかなりの力が必要です。女性だと取り付けられないのではないかという力が必要ですΣ
毎回取り付ける必要がないマイカーであればそれほどの労力にはなりませんが、レンタカーやカーシェアの車への取り付けとなると、これだけで5分くらい掛かります…
マジックテープも付いているので、クリップ部分はもう少しゆるくても良いと思いました。

4.シガーライターソケットからUSB給電可能なカーアクセサリ
フロントガラス側にスマホを固定すればドライブレコーダの出来上がり(≧∇≦)…と、そうは問屋が卸してくれませんorz
ドライブレコーダアプリはスマホのバッテリーをもの凄く消費する上に、長時間の録画を想定している為、フル充電をしても1~2時間の運転でバッテリー切れになる可能性があります。
そんなわけで、シガーライターソケットからスマホを充電するアクセサリが必要です。

・サンワサプライ(CAR-CHR66UW)-車内でiPadが充電できる、iPad・iPhone・iPodの充電に対応したハイパワー2.1Aカーチャージャー

スマホ1台の充電なら1.0A対応のものでギリギリいけますが、バッテリー容量が大きいスマホ、iPad等のタブレット、モバイルルータ等のバッテリーが大きい電子機器を充電する可能性があるならば、2.0A以上対応のものを購入したほうが良いかもしれません。

5.スマホを充電可能なUSBケーブル
シガーライターソケットからUSBで給電できるアクセサリとスマホを接続することで、車のエンジン起動中は、スマホのバッテリー切れを心配することなく、スマホをドライブレコーダとして使用することが可能になります。
利用する車種によりますがケーブルの長さは1.5~2mあれば十分かと思います。
USBケーブルには通信用と充電用があります。充電専用または通信/充電両用のケーブルをお買い求めください。


前置きの文章だけで長くなりましたが、ここからが実際のレビューです。


スマホをドライブレコーダとして使用するには以下のような問題点があることが分かりました。

1.ドライブレコーダアプリが不安定
Androidの場合、機種やOSが多種多様であり、すべての端末やOSで動作保証することができません。
動画を録画するという高負荷の処理をし続けるこのアプリも例外ではなく、録画設定によってはアプリが固まったり、映像再生時に画面が乱れることがありました。
録画時にGPS情報を記録してる場合、自動高画質の録画にチェックがある、またはビデオ解像度をスクリーンサイズにしていると問題が発生しました。ビデオ解像度をD1に手動設定したところ、映像と地図が乱れずに再生されるようになりました。
動画サイズが大き過ぎ、地図を表示できるスペースがないと、動画再生時に支障をきたすみたいですね。
また、保存先を変更した場合、その後、保存先を元に戻したとしても、元の保存先にある過去の動画が一覧に表示されなくなる問題があるので、注意が必要でした。(※これはアプリの作り込みの問題)

2.振動に弱い
装置を車に完全固定する通常のドライブレコーダと異なり、スマホを車に取り付けるカーアクセサリを利用しているだけなので、走行中の振動に強くありません。
特にサンバイザー式の製品は振動に弱いと言って良いと思います。
路面の状況が良くない場所を60km程度で走行すると、スマホが揺れて、記録される映像も揺れます。
ドライブレコーダアプリ専用として作られているカーアクセサリではない以上、振動を吸収できないのは我慢するしかありませんね…
また、橋と橋の間のような継ぎ目がある場所を通過すると、その「ガタンッ」って音がなったときにアウトガードの衝撃センサが過剰反応し、事故として記録されているところが何箇所がありました。
アウトガードの衝撃センサの設定で衝突敏感度を"極度に低く"しても、些細な振動で衝突と判断します。その後、衝突映像を保存する設定に従い録画されると、アプリが落ちるようです。
仕方ないので、衝撃センサの利用を諦めました…

3.信号機がチカチカ記録される
これは普通のドライブレコーダでも発生しうる現象ではありますが…
LED信号機は、60Hzの電気を使用している西日本地域だと毎秒120回、50Hzの電気を使用している東日本地域だと毎秒100回点滅を繰り返しており、スマホカメラのフレームレートとズレがあるとLED信号がついたり消えたりしているように見えます。0.8秒くらいの間隔で信号がついたり消えたりを繰り返して見えます。
信号が切り替わる微妙なタイミングで事故に遭った場合、ドライブレコーダがあっても事故の証明が面倒になるのではないかと心配になります。
ちなみにフレームレートを落として記録する夕暮れや夜間には発生しにくくなります。
対策としては設定するフレームレートを電気の周波数と一致する30fpsや25fpsにするのを避け、27.5fps前後にします。
なお、信号機のチカチカはLED信号の特性上によるものなので、古い電球式の信号機では発生しません。

4.映像から他の車のナンバーが分かるとは限らない
アウトガードで記録できた映像を見ましたが、映像から他の車のナンバーを見る程のキメ細かさはありませんでした。
停車している状態で前方の車のナンバーを確認しようと頑張りましたが、"99-99"の部分が分かっても、"地域名999"の部分やナンバー左側のひらがな1文字が分かりませんでした。
これはスマホカメラの性能向上により将来は解決する話かもしれませんが、現在の性能では事故の状況や、逃走車の色や車種を確認することはできますが、事故車が逃走したときに、ドライブレコーダーだけを頼りにするのは難しそうです。
実際、YouTubeのドライブレコーダ動画を確認していると、事故った時点で車のナンバーを声に出して動画に残している方がいらっしゃいました。


某日高レポート風にまとめると…
・ドライブレコーダアプリを利用してスマホをドライブレコーダとして使用することは可能。
・ドライブレコーダ専用の端末と異なり、設定によりアプリが不安定になることがあるので注意が必要。
・スマホ固定ホルダーの関係上、走行中の振動に弱い。(※特にサンバイザー式は振動に弱い)
・フレームレートの関係上、LED信号がチカチカする。(※ただし、これは普通のドライブレコーダでも発生し得る)
・動画の録画サイズにより車のナンバーが分かると限らない。
・猫は可愛い。

ということで今回のレビューを終わりにしたいと思いますm(_ _)m

P.S.:
この記事にて多くの製品を紹介しましたが、あくまで一例です。
他にも良い製品があるかと思いますので、ご参考程度にご利用ください。

P.S.:
自作PCパーツを販売しているオウルテックさんがカーアクセサリを作っていることが不思議でしたが、先日オウルテックの社員さんと話す機会がありました。
カーアクセサリの販売について質問してみたところ、自作PC人口が減った為、新たな販路を確保する為にカーアクセサリを販売し始めたとのことですΣ
なるほど、オウルテックさんも大変なんですね…