祝2020年東京五輪決定!

56年ぶりに日本で夏季オリンピックが開催されることが決定しました。
アジアで夏期オリンピックが複数回開催されるのは東京が初めてになるとか。
国際的なスポーツ大会が東京に決まったことを素直に喜びたいと思います。

ネットでの反応を見るとIOCに失望したとか、なぜ東京なんだとか、主に脱原発、反TPP、反日を謳う人によって色々書かれていましたが、茶番だ何だと言われても東京に落とし所になるのは目に見えていたというのが自分の感想です。

ただ、本来長所で争う開催地が短所のせめぎ合いとなってしまったのは、今回の後味の悪さに繋がっているものと思われます。
スペイン・マドリードは高速鉄道の脱線・高失業率・緊縮財政、5回目の立候補であったトルコ・イスタンブールは隣国シリアとの情勢不安・国内デモの問題、そして2回目の立候補であった日本・東京は全柔連のセクハラ騒動・猪瀬知事のイスラム諸国への批判発言・原発問題と、スポーツとは関係ない問題を抱えてましたからね。

しかしながら、国際社会では不正ではないと言われるギリギリの範囲でロビー活動をするのが当たり前の世界ですし、IOCも例外ではありません。
公正・公平を原則に掲げていても、IOCは商業団体であり、強い力には影響されます。

マドリードの敗退は高速鉄道の脱線と高失業率の問題だけではなく、2024年の夏季オリンピックを目指しているフランス・パリの影響も強かったものと思われます。
2020年にマドリードオリンピックが実現してしまうと、2024年に2回連続でヨーロッパ大陸での開催となるパリオリンピックが実現できなくなりますからね。

東京が有利に働いた題材としては、前回のオリンピックから約60年経っていることでしょうか。

日本の国体も似たような性質がある通り、 スポーツの祭典があると、インフラの開発や再構築への投資する名目ができます。
イギリス・ロンドンもそうだったのですが、前々回は1948年で前回が2012年と64年ぶりでした。
スペインの場合、マドリードに次ぐ第二の都市であるバルセロナで1992年にオリンピックがあった為、開催スパンとしてはかなり短いと判断された可能性があります。

冒頭でも書いたとおり東京も56年ぶりのオリンピックです。
東京オリンピック開催が決定したので、老朽化が問題になっている首都高速道路の大改修等が計画され、今後7年間は土建業界、インフラ業界、観光・レジャー業界とその付随産業(水商売・ギャンブル)の景気は良くなりそうです。

さらに、今回の日本はIOCへのロビー活動をオールジャパン体制で実行できたのも大きかったかと思います。
前回までの立候補では日本の一地域が世界の国と争っていました。
それにも関わらず、前回の立候補では、他国の候補地でのオリンピック支持率が80%前後であったのに対し、東京が55.5%と低調で、落選しました。
その東京落選の反省を踏まえ、ロビー活動を円滑にするスポーツ基本法(旧スポーツ振興法)の法改正をしました。
人気のある選手を起用し、CMやポスターを駆使した宣伝が功を奏したのか、今回の東京オリンピック支持率は70%を超えていたようです。

さて、残りのイスタンブールですが、シリア情勢と国内デモ以外の問題点としましては、サッカーUEFA欧米選手権の2020年開催地にも立候補していることが影響していたのかもしれません。
IOCとUEFAの会長それぞれにどちらかしか開催を認めないと言われてましたので、欲張りすぎたのも良くないのでしょうか?

書けば書くほど、国が主体となり、一貫したロビー活動の力って大きいですよね。
日本以外では沈黙は金ではない。
オリンピックだけではなく、日本全体として言わなくてはいけないことは世界に発言し、国際的な発言力を強化して欲しいです。