Googleを利用してインターネットを高速化

 CNET Japanによると、グーグル、ウェブアクセス高速化ツール「Web Accelerator」を公開とのこと。

Web Acceleretorを導入することで、Googleがウェブページのキャッシュとなり、ページの表示が高速化するということですね。
これは面白い試みですね。

インターネットが日本でまだあやしいものの代名詞だった10年くらい前は、インターネットの接続速度も14.4Kbps、9600bpsと非常に遅かったため、ページの表示をするのに非常に時間が掛かりました。
そこで、キャッシュという技術を使ってページの表示を高速化する技術がありました。

キャッシュとは、本来はCPUとメモリの間に使用頻度の高いデータを格納出来る高速のRAM装置を置くことで、無駄な時間を省き、結果として高速化を計る装置のことを言います。
インターネットでも、高速のRAM装置ではないのですが、ハードディスクに一度アクセスしたウェブページの内容を格納できるようにすることで高速化を計る技術をキャッシュと言うようです。

今まであったインターネットでのキャッシュというのは、本来のサイトと自分のパソコンの間に、プロキシ(代理という意味があります)サーバを介すことで、そのプロキシサーバがインターネットのデータをキャッシュし、ウェブサイトのページのタイムスタンプ(更新日時)を見て、古かったら新たに取得して自分のパソコンに、同じだったらキャッシュから自分のパソコンにデータを伝送するという仕組みです。
タイムスタンプが古い場合は、サーバが色々な処理をしてから自分のパソコンに返す分オーバヘッド(時間が損)になってしまいますが、昔は本当に回線が遅かったので、プロバイダが提供するプロクシ内のキャッシュからデータを返してくれた方が結果として早くアクセス出来たり、ISPのプロクシという性質上、複数の人が利用しているため、アクセス頻度がある程度あるページであればキャッシュに残っている可能性が高いため、オーバヘッドが起こる確率もそれほど多くないです。

また、ブラウザにもキャッシュ機能があります。
ブラウザのキャッシュ機能は、自分のパソコンのHDDにファイルがあるので、上記のような形でタイムスタンプを検証し、タイムスタンプが一致した場合直ちに表示されるので強力です。
ただし、ブラウザのキャッシュ機能は、自分がそのサイトにアクセスしない限りキャッシュしないので、頻繁に利用するサイトはかなり早くなるという感じでしょうか。

でも、最近のネットワークの高速化でキャッシュ機能がなくても十分早く表示されるようにはなりましたので、昔ほどの重要性はなくなって来ましたね。

で、なんかキャッシュの話だけで前置きが随分と長くなりましたが(笑)

ご存じの通り、Googleは、ウェブページを巡回したときにそのページの情報をキャッシュしています。
これにより、検索エンジンの結果には表示されているのにページが消滅している、そのページがあるサーバ、もしくは、そのサーバ近くのネットワークが遅いためにページが表示されないことがあっても、そのキャッシュを利用して表示が出来たわけです。

今回の機能は、これを応用したものです。
GoogleのWeb Acceleratorを利用すると、基本的にページの表示にはGoogleに蓄積してあるキャッシュを利用します。タイムスタンプを検証し、本来のサイトのページが更新している場合は、キャッシュのデータと更新されている部分の差分を提供することで無駄なファイル伝送を行わないようにするみたいです。

更新されてる部分の差分を送って高速化というのはよく考えたなと思います。

Googleって検索エンジンとしても、イメージ検索としても非常に優れた検索エンジンだと思っていたのですが、検索システム以外にも発案するアイディアが非常に面白い会社だと思います。

Gmailにしても、今回のWeb Acceleratorにしてももっと頑張ってもらいたいです。