年末にかけてプリンタ販売合戦開始

 asahi.comによると、写真印刷を強化したプリンタ新製品をキヤノン、エプソンが販売開始とのこと。

年末の年賀状印刷前が日本のプリンタ業界にとっては特需となってます毎年のことですが、最近は昔のプリンタとは違い、色々便利な機能がついてくるようになりましたね。

CD-R印刷やふちなし印刷、特殊用紙に対する印刷などがある今にとっては、普通紙に印刷するとにじむにじにんだプリンタを使ってた苦い想い出も笑い話です。

インクジェットプリンタとは、印刷する用紙に対して細かいノズルから霧状のインクを吹き付けることで印刷する方式で、家庭に普及しているプリンタではほとんどがインクジェットプリンタだと思います。

ノズルとは注射器の先っぽを想像してもらえると良いと思います。印刷する必要がある場所になったらノズルが細かいインクを吹き付けます。注射器で言うならば、注射器の針の反対側をちょこっと押して小さな水滴を出す作業を想像できるでしょうか。これの連続作業を延々と続けて写真やら文字やらが印刷出来るので一枚の印刷でノズルは何百回、何千回も行っているということですね。
注射器で言うと人間がポンプを押すという作業になりますが、ノズルがどうそれに当たる作業をどう行うかと言いますと、現在ピエゾ方式とバブルジェット方式という方式が開発されています。
ピエゾ方式とは、ピエゾ素子というのをノズル内に入れておきます。インクを吹き出す必要がある場所でピエゾ素子を通電させるとピエゾ素子が膨らみます。膨らんだ分ノズルからインクが押し出されます。
一方、バブルジェット方式は偶然から生まれました。ある研究者が液体が入っている注射器の針の部分に、たまたま半田コテを当てたところ急に沸騰したことで気泡が発生し、体積が膨張した分の液体が針からビュッって出たことから応用されたものです。つまり、ノズルの中にヒーターを用意し、インクを吹き出す必要がある場所で気泡を発生させインクを押し出します。インクを押し出す必要がない場合はヒーターを止めれば気泡が再び液体になり元に戻るという仕組みです。

多くのプリンタメーカがピエゾ方式を利用している中、キヤノンは偶然の出会いによってバブルジェット方式を利用して販売しています。

ピエゾ方式とバブルジェット方式それぞれの利点と弱点について考えてみます。ピエゾ方式は技術的には成熟していますが、バブルジェット方式に比べノズルを小さくすることが出来ないようです。なので、インクを細かく吹き出せる技術はバブルジェット方式の方が勝ちます。しかし、バブルジェット方式はヒーターを利用している関係で、長時間印刷していると放熱のためにしばらく印刷を停止しないといけません。それでも最近はどちらの方式も弱点を克服しようと頑張ってるみたいですね。

エプソンは以前から印刷物に液体がかかっても強い、そして、今までインクジェットプリンタの弱点であった長時間保存すると色あせるということがなくなる、「つよインク」と呼ばれるインクを採用しキヤノンとの差別化を図っていましたが、キヤノンも同様のインクを開発したということは、さらに激戦となるかもしれません。

ちなみに、私はNEC(と言ってもHP)のプリンタに2度裏切られたため、今持ってるプリンタはキヤノンのプリンタです。最近のキヤノンの勢いは凄いですし、実際今使用しているキヤノンのプリンタ(PIXUS 850i)は凄く気に入ってます。

今度プリンタを買う必要があるときは普通紙印刷などに加えて、CD-R印刷、封筒印刷、名刺印刷が可能、写真画質のためにCMYK以外のインクを用意し、基本的にインクは顔料系つよインクとかどんどん欲張りになってきますね。

この記事書いてたら新しいプリンタ欲しくなっちゃった...