BIOS復旧までの道(序章)

 BIOSとはBasic Input/Output Systemの略で、キーボードやマウス、FDDなどへの入出力手段を提供する非常に基本かつ重要な場所です。
 不揮発性メモリの一つであるEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)を使用しているため、ROMでありながら保持する内容を書き換えることが出来ます。BIOSの内容をアップデートすることで、バグフィックスや性能向上を行うことが出来るので、WindowsUpdateの様にBIOSアップデートを頻繁に行いましょう...っと言いたいところなのですが、そんな一文を見る機会はないと思います。なぜなら、BIOSアップデートに失敗するとパソコンが完全に使えなくなってしまう危険性があるからです。
 
BIOSアップデートに失敗するパターンとしてよくあるのが
 (1)BIOSアップデート中の電源切断
 (2)BIOSアップデート中に他のソフトウェアが起動し、それが邪魔をした
 (3)他のBIOSデータをアップデートしてしまった
などがあります。(1)と(2)は正常にBIOSアップデートが完了しなかったことによるBIOSデータ破壊で、(3)はそのマザーボード用じゃないBIOSを間違ってアップデートしてしまった場合によるBIOSデータ破壊です。一見(3)なら何とかなるんじゃないかと思うのですが、BIOSに限って言うならばなりません。基幹部分を司る場所なので、型番が違えばBIOSの中身も全部違うと考えてください。例えで言うならば、人間の臓器移植が簡単に出来ないのと同じと考えればいいのでしょうか。
 
 BIOSのアップデートに失敗してしまうと、入出力コントロールの基幹部分がやられてしまってる訳ですから、キーボード、マウス、HDD、FDD、VGAボード全て使えなくなるわけですね。この状態になると、電源が入っても、電気を無駄に使うただの箱と化します。
 
 この状態になってしまったら、そのパソコンを使用することは諦めるしかないのか...っと思うのはまだ早いです。うまくいけば、BIOSのROMデータを甦らすことが出来ます。
 
 次回から何回かの記事にわけて、私がBIOSアップデートを失敗してしまった経緯とどの様にしてBIOSを復旧させたのかを書いていきたいと思います。
 
 (前編に続く)