ゆとり教育の現状/百マス計算

 今日、00時25分より 日本テレビ系列 ドキュメント'04を見ました。
 百マス計算の実績を買われ、最年少で校長となった陰山先生を、1年間かけてに取材した番組なのですが、正直驚きました。
 
 ゆとり教育の始まりになった15年前から危機感を感じ、計算力を付けさせる百マス計算という方法を実践したところ、周りから猛反発を受けたようです。15年前というと、団塊ジュニア世代が小学生の頃ですし、受験勉強=悪と言われた時代では、反復教育=悪という反発が出てしまうのも事実だったかも知れません。
 
 しかし、時代が百マス教育の必要性を理解してくれたようです。
 
 百マス計算とは、表の一番上の行と一番左の列に数字が書かれており、交差する部分に足し算の答えをひたすら書いていくテストです。その応用版に、百マス計算の引き算版や、割り算の商とあまりをひたすら書いていく百割り計算などがあります。
 他にも、速いスピードで音読をさせる方法、1年間で学ぶ漢字を1ヶ月で覚えさせる方法などを実践していましたが、これら全て基礎固めのために行う教育改革です。

 陰山先生が百マス教育含めこれらを実践してみたところ、最終的に模擬テストの平均点が全国平均より10点以上高い結果が出るようになったようです。
 陰山先生が実践する百マス計算を科学的に分析すると、計算をしている間、脳の前頭葉に血液が活発に流れるようになるようです。これにより、子供の脳の発達を促進する結果が分かっています。最終的に基礎を早い段階で固めたことにより応用力までつくことが分かりました。
 
 しかし、教師達は今までと違う方法に戸惑いがあったり、反発があったようです。そして、どうもネットでも百マス教育に関する色々な記事を探してみると、科学的根拠や実践に基づく結果にすら反発している人がいるみたいです。

cf: 「百ます計算」、いい?悪い?
 
 教師に限らず、人間は何年もやり続けた方法を変更されようとすると反発するのは当然だと思います。しかし、そこで変化を嫌がっていたら良い教育は絶対出来ないと思います。児童や生徒のおかれている状況が50年前とどんどん変わってきているのに、昔と全く同じ教育をしていたらそれは改悪です。だからと言って、ゆとり教育は良いとは思いません。
 トヨタのカイゼン方式もそうですが、今までの方法を根本的に変えるこの方法は最初、労働者の反発があったようです。しかし、現在トヨタのカイゼン方式は世界でかなり注目されています。キヤノンやデルなど、世界的に有名な企業も、痛みを伴う改革をしてこそ現在の成功があります。
 
 小泉さんの肩を持つわけではありませんが、「(痛みを伴う)改革なくして成長なし」だと思います。
 今後の日本を担う児童を育てる教師にはもっと頑張って貰いたいと思います。